OGSMの作成とモニタリングで、事業運営は8割うまく回る
事業運営とは、仕事としての活動を、円滑かつ機能的に行うことができるように調整しつつ取り組むことです。
その事業運営をうまく回すには
- 実行する当事者自身が計画を立て
- 計画通りに進んでいるか定期的にモニタリングし
- 必要に応じて計画を調整する
といった、PDCAのサイクルをしっかり回すという事につきます。
そして、PDCAサイクルを適切に回すために、機能的なフレームワークがOGSMです。OGSMは、元々、マーケティングのフレームワークですが、事業運営でもうまく機能するので、お勧めです。
OGSMとは、プロジェクトを「目的」「ゴール」「戦略」「評価」の4つの大きな枠で考えるマーケティングフレームワークです。
軸をぶらすことなく、関係者が共有した認識でプロジェクトを戦略的に進めるための枠組みです。
https://cinci.jp/report/ogsm.html
OGSM作成のポイントについて
- Objective (目的):ビジネスの目的を明確にする
- Goals (ゴール):目的を達成した時の目標値を定める
- Strategies (戦略):目的を達成するための戦略を明確にする
- Measurements (評価):ゴールへの到達状況を評価する
を計画として見える化したものが、以下図のOGSMシートです。
作成時の注意点を3点説明します。
全体像について
計画を立てる時には数字と言語をセットにしないと機能しません。数字だけだとやり方が分かりませんし、言語だけだと基準が分かりません。
OGSMでは以下の流れで、目的(言語)を決め、目的のゴール(数値)を設定して、ゴールを達成する戦略(言語)を立て、戦略の達成指数(数値)を設定し、行動計画(言語)を決めていきます。
計画時は、一定期間後のあるべき姿(目的)からブレイクダウンしていき、日々のタスクを導きます。
日々のタスクをクリアしていけば、最終的に目的が達成できるという設計図を作っていくのがOGSMシートの作成です。
OGSM設定の範囲について
組織の大きさにもよりますが、会社で1つのOGSMだけではなく、事業部毎でもOGSMを設定していく方がよいでしょう。
会社計画で事業部のゴールを設定し、そのゴールを事業部OGSMでは目的にするイメージです。
このことにより、自分の事業部が会社全体で、どような役割を担っているのか?個人のタスクと全体の関連性の理解を促すツールになります。
KGIとKPIの違いについて
KGI(Key Goal Indicator)とはビジネスの最終目標を数値化した指標です。
KPI(Key Performance Indicator)とはKGIを達成するための行動(プロセス≒パフォーマンス)目標を数値化した指標です。
KPIとして望ましい指標は、自らが変えていける(関与できる)行動指標を置かれることをお勧めします。
間違いとまでは言えませんが、KGIとKPIが混同されているケースがよくあります。KGIは結果としての数値です。
OGSMモニタリングのポイントについて
モニタリングは定例ミーティング化がお勧め
どの組織でも計画は立てるとは思いますが、計画をしっかりモニタリング(監視)できていますか?
週一回もしくは隔週1回は、OGSMのモニタリングに1時間程度は確保し、習慣化していくことをお勧めします。
なお、
- マネージャー以上は、会社OGSMのモニタリングに参加
- スタッフは、事業部OGSMのモニタリングに参加、会社OGSMは閲覧可能
などとし、ミーティングの拘束メンバーを最小限にしつつ、全社員が関与していく機会をつくっていくとよいと思います。
ミーティング時の報告、相談内容について
OGSMをしっかり作りこむと、報告も多くなり、時間がかかります。そのためミーティング前に、進捗報告をOGSMに記入ておき、事前に確認できるようにましょう。
定例ミーティングでは優先度の高い報告(これは知っておいてほしい!という内容)に絞って議論するように心がけましょう。だらだらと長く報告すると、論点がぼやけ、共有度合いが下がります。
報告よりも、相談の時間が主になるとOGSMがどんどん機能してきます。
計画通りに行かないほうが普通であり、その都度、共有し調整する場にしていきます。担当毎に進捗度合いも変わりますので、タスクの分担、タスクそのものやる・やらないの判断をしていきます。
また、KPIが達成されているのに、ゴールに近づかないのであれば、量が足りなのか、そもそもKPIの設定自体が間違っていることになります。ミーディングでは、KPI自体の妥当性の検証や修正のば場にもしてくとよいでしょう。
まとめ
- 実行する当事者自身が計画を立て
- 計画通りに進んでいるか定期的にモニタリングし
- 必要に応じて計画を調整する
といった、PDCAのサイクルをしっかり回る状況は、OGSMが機能している状態と同じであり、機能していくにつれ、事業運営もスムーズになるはずです。
事業運営に課題を感じていれば、ぜひ、試してほしいのが、OGSMです。