営業のコツが身につく、2つの質問
お客様の欲しがるものを売ってはいけない、お客様の喜ぶものを売りなさい。
この言葉は、伝説的な経営者、松下幸之助さんの言葉です。
この言葉は、当たり前のことを言っているようで、なかなか実行はできません。
営業のやり方に悩んでいる方に少しでも役に立てればと、そして自分の頭の整理もかねて、営業に関して少し語ってみたいと思います。
少し、わかりやすい例えを元に考えたいと思います。
「この道を真っすぐに行って、2つ目の信号を左へ・・・・」
お客様は一定の情報を元にやりたい「方法論」で伝えてくることも多いです。そんな時に、そのまま真正面に忠実にその方法でのやり方をお答えするのは下の地図の話に近いと思います。
営業はヒアリングの中で、お客様が「行きたい方法」ではなく、「行きたい場所」を理解することに力をいれないといけないと思います。
「行きたい場所」がわかれば、違う方法でも行けます。その方法をお客様に「その理由」「その方がいい理由」も一緒に伝えてあげましょう。
これで、あなたはお客様の質問に、あなたの「価値」をプラスして答えたことになります。きっとお客様は、あなたと話をしたことに価値を感じます。
「なぜ」そこに行きたいんですか?
要望を伝えられたら、とりあえず「なぜ?なぜ?」で、理解を深めましょう。すると、お客様は「コンビニで買い物したいから」なんて、少し具体的な事をお話しはじめます。
「なぜ、コンビニ行きたいんですか?」
もう一歩踏み込みましょう
「アイスクリームが欲しいんです」
あれっ・・・
お客様がはじめに言った要望って、代解案なんていくらでもありますね。スーパーでもいいですし、もっと近くのコンビニでもいいですし、なんなら買ってきて渡したっていい。
自分の会社が提供できるサービス、商品は一定の範囲内であることがほぼ大多数です。なので、お客様から伝えられた要望だけでは、購入に至ることは、限定的になります。要望に「どんぴしゃ」なものを自社がもっている場合は、そもそも営業なんていりません。
営業は、ヒアリングを通してお客様の本当の要望を理解して、自社が提供できるサービス、商品を代わりの解決策としてお客様にご理解いただき、価値を感じて頂くことが仕事かと思います。
それでも、お客様の要望に自社のサービス、商品が適さない場合は
アイスクリームが手に入ったら、あなたは「どうなるんですか?」
「子供が喜ぶんだよね^^。その笑顔を見ていい気分なれるよ」「暑くてバテそうだったので、復活でるよ!」
あれっ・・・
「子供が喜ぶ」なら、別にアイスクリームでなくとも、玩具でも、公園に連れて行くでもなんでもいいですね。「暑さからの解放」なら、水でも、ビールでも、クーラーでも、プールでも・・・代解案なんて無数です。
繰り返しますが、営業は、ヒアリングを通してお客様の本当の要望を理解して、自社が提供できるサービス、商品を代わりの解決策としてお客様にご理解いただき、価値を感じて頂くことが仕事です。
「なんでもできます」は、すばらしいですが、それだと、自社にとっては、提供するコストも上がりますし、知識の蓄積も限定的で、利益も出づらいです。お客様にとっては、費用も高くなりますし、そもそも別の方が良かったなんて事にもなります。
なので、営業は
- 「なぜ??」
- 「それが叶ったらどうなるの?」
この2つの言葉で、お客様の本当の要望と、喜ぶポイントを理解して、自社が提供できるサービス、商品の価値が交わるポイントを探すことに集中するのがいいかなぁと思います。
最終的なお客様の要望は2つ
法人のお客様になりますが、最終的なお客様の要望は2つ。それは、「売上を上げる」か「費用を下げる」の2つです。
法人向けのサービスをしている企業にとっては、2つのどちらか、または両方を扱っている事がほとんどかとお思います。
お客様の要望のほとんどが、この2つのポイントから派生した、部分的な枝葉になります。営業はその枝葉に行くのではなく、幹に近い部分、「売上を上げる」か「費用を下げる」を意識して商談している方がお客様にとって提案できる価値の質が高まります。
「商品を売るぞー!」って気合のスイッチは消してしまう
今の世の中、販売している商品のスペックや価格は大差ないですしそもそも、お客様が欲しい物を決めている事が多いです。
なので、欲しい物をすすめているだけの営業はすぐに行き詰りますし、そもそも、そんな営業の話は退屈で面白くもないので、話して頂いても、すぐ忘れます・・・
また、お客様が欲しいと思っている物は、本当に欲しい物ではなく、間違っていることも多いです。営業がやる仕事は、お客様が欲しいと思っている事の、その下のその下のその下くらいにある、本当に欲しい物を見つけてあげたり、整理してあげる事です。
結論、「商品を売るぞー!」って気合は必要ないです。それよりも、売りたい気持ちのスイッチを切ってしまう方が重要だと思います。
ヒアリングを通して、あなたが加えてあげた付加価値はお客様に喜ばれ、いつの間にかご発注頂けている。電話するだけで、いつも何かを買って頂ける・・・そんな経験をきっとするはずです。
お客様はいつも何かの課題を抱えて、その課題を解決していきたいのです。つまり、いつでもお財布は開いています。
お金を払う価値が、あなたの提案にあるのか?そこが重要なんだと思います。