リモートワークの導入が起こした、宮崎の仕事環境の二極化

今日、コロナ禍も収束の兆しも見えてきていますが、2020年のコロナ禍が激しくなる中で、以下のような記事を執筆していました。

コロナ禍で見えてきた、地方ベンチャーの勝ちパターンの兆し

記事内で以下を記しました。

  • 既存の企業が制約があるのでリモートワークの導入に躊躇している
  • 地方のベンチャー企業は、リモートワークを推進し、企業運営の武器にするべき

2020年から2年経ち、リモートワークの導入に積極的だった企業と、消極的だった企業。この2社のコロナ禍以降の成長度合いは明らかに広がっているように感じます。

変化を強制された

コロナ禍ではオフィスの閉鎖が強制的に実行されました。今は強制的に変化を促せる機会が無くなったとも言えます。変化することが許容された時期に、各社が行った事例と成果を見てみましょう。

事例1:GMOインターネット株式会社 宮崎オフィス

GMO本体は、国内のどの会社よりも早くリモートワークを導入しました。リリース当時には早まってるだろ…と冷ややかに見ていましたが、結果は素晴らしい英断になりました。

宮崎支社も多分に漏れず、リモートワークを一早くスタートされ、現在では、週3日出社勤務、週2日リモートワークのハイブリッド勤務を導入されています。これらは、リモートワークの弱点を補うための工夫として、他社でも参考になる形態に感じます。

事例2:株式会社クラフ 

国内初の「ソーシャル・ディスタンス・オフィス」の開設など、コロナ禍を悲観することなく好機と捉え、積極的に事業展開をされています。

現在は、管理部門や入社間もない研修期間中の社員がオフィスで勤務していますが、その他の社員は、オフィスワークorリモートワークを選択する形態を取っています。

オフィスの席数が100席程度に対して、現在の社員数は150人を超えています。

オフィスのサイズ問題が低減された

上記二つの事例から、オフィスの席数以上に社員数が増えていることが分かります。

コロナ禍以前、宮崎のIT系誘致企業が抱えていた課題の一つに、増加する社員数を支えることのできるオフィスが少なくなってきたことがありました。そのため、宮崎以外の他地域に拠点を出すことを決めた企業も少なくありませんでした。

コロナ禍以降は、リモートワークを活用することで、オフィスのサイズが、成長の必要要件になることが少なくなってきています。

リモートワークの副次的効果

リモートワークが可能ということは、宮崎在住ではない社員で事業を展開できることも可能になったことと同じです。また、時期を同じくして、都市圏では副業を推奨する動きも活発になってきていました。

副業+リモート勤務の人材を業務委託として自社に招き、素早く事業を立ち上げるベンチャーも現れています。

顕在化されてきた課題

リモートワークや副業が地方の会社運営に対して、好影響を与えて来ている一方で、課題も顕在化してきています。

クリエイティブな仕事に対する支障

リモートワークがしやすい仕事=定型化された仕事。ともいえます。 

米国などではオフィスワークに戻る動きも見受けられます。社員が対面で進める方が、効率的な仕事もあるのは事実でしょう。これは、今後の動向を注視する必要があるでしょう。

宮崎で勤務してくれる即戦力の専門人材の採用が難しい

リモートワークが進むということは、宮崎で住みながら都市圏の仕事ができるということになります。コロナ禍以前は、移住と転職はセットの関係でしたが、現在は、移住しても現在の仕事を辞める必要もありませんし、都市圏のリモートワークが可能な会社に転職するケースが増えています。

まとめ

本稿では、リモートワークが格差を広げたように書いてみましたが、実際はそれだけではないでしょう。とはいえ、危機的な状況になった時の企業の姿勢が、リモートワークの導入に繋がり、結果として、企業の成長に格差を生んだのではないかと思います。

普段では、経営の姿勢を求職者が把握できる機会は限定的ですが、今現在であれば、リモートワークに積極的か否かは、経営者の変化への柔軟性を知れるリトマス試験紙になっていると言えます。