九州7県のスタートアップを支える、インキュベーション施設をご紹介

起業や新規事業に取り組む、個人や企業を支援するためのインキュベーション施設が全国的に増えています。

インキュベーション施設では、「新しいビジネスを育てる」ことを目的に、起業家に対してワークスペースの提供や経営・事業計画のアドバイス等を実施。スタートアップ期にしっかりと伴走することで、ビジネスを成長させる土台作りに取り組むことができます。

今回は、九州にフォーカスして、各県の主要なインキュベーション施設をご紹介していきます。

九州7県のインキュベーション施設

【福岡県】Fukuoka Growth Next

福岡市中央区に拠点を構えるインキュベーション施設が、Fukuoka Growth Nextです。

Fukuoka Growth Nextでは、「グローバル創業・雇用創出特区」である福岡市の支援や、地元企業との連携をベースに、経営から実務にいたるまでスタートアップに必要な幅広いノウハウを提供しています。

施設内にはワークスペースやシェアオフィスが設けられており、常駐のメンバーや定期開催されるイベントを通して、創業や事業運営に関するアドバイスを受けることができます。

【佐賀県】Startup Gateway SAGA

Startup Gateway SAGAは、佐賀県が主催するインキュベーション事業です。

同事業では、新たな産業を生み出す起業家や新規事業者を「プレイヤー」、それを支援する支援機関や地場産業、先輩起業家を「パートナー」と呼称します。

プレイヤーはパートナーからのアドバイスや資金提供を受けて、年間を通じて事業のブラッシュアップやマネタイズなどビジネスの足場づくりに取り組みます。その過程で、より具体的かつ実効性のあるビジネスへと成長させるのが狙いです。

新たな産業の担い手が生まれることは、地域経済の活性化に繋がります。佐賀県はこれを県の事業として推進することで、新産業を生み出すコミュニティづくりに取り組んでいます。

【長崎県】ながさき出島インキュベータ(D-FLAG)

ながさき出島インキュベータ(D-FLAG)は独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するインキュベーション施設です。

長崎市出島町に設けられた施設には、事業スペースや共用スペースの他、事業創出のための研究を行える実験室を用意。

大きな特徴が、産学官が連携した新事業の創出や人材の育成に取り組んでいる点で、施設に常駐するインキュベーション・マネージャーによる経営支援だけでなく、長崎3大学(長崎大学、長崎総合科学大学、長崎県立大学)と連携し、研究者の技術指導や大学との共同研究のサポートを行っています。

インキュベーション施設内で、実際に研究開発に取り組めるという大きなメリットで、初期の運営資金に乏しいスタートアップにとっては魅力的な環境といえるでしょう。

【熊本県】夢挑戦プラザ21

夢挑戦プラザ21は、熊本県に拠点を置くインキュベーション施設です。

創業準備や新事業創出のための公的なシェアオフィスとして運営されており、施設としての利用だけでなく、常駐するインキュベーションマネージャーによる創業支援や起業支援を受けることができます。

公益財団法人である「くまもと産業支援財団」が運営しているため、施設の利用料金がリーズナブルに設定されているのも魅力の一つです。

【大分県】コレジオ大分

コレジオ大分は、創業支援や県内外クリエーターと県内企業の交流を促進する、インキュベーション施設です。

施設内にはコワーキングスペース「OWNSPACE」が併設されており、個人から企業まで多様な人材が利用・交流することが可能。また、イベントやセミナーなどを通じて、起業家と企業双方の連携を図り、起業教育の分野においても大分の拠点的な役割を担っています。

【宮崎県】みやざき STARTUP HUB

みやざき STARTUP HUBは、宮崎市が開設したインキュベーションルームです。

雇用創出や地域経済の活性化を目的に、最長一年間利用することが可能。対象は、創業を目指す人や創業して間もない人となっており、創業に必要な事業計画の作成方法や資金の借入方法、労働者の雇用方法のアドバイスなど、企業の成長に必要な支援をうけることできます。

施設は宮崎市の中心市街地に開設されており、平日日中はアシスタントが常駐し起業家をサポートしています。

【鹿児島県】ソーホーかごしま

ソーホーかごしまは、鹿児島市が創業支援施策として運営するインキュベーション施設です。

SOHO事業者やこれから創業を目指す事業者等を育成・支援するための拠点施設と位置付けられており、24時間事業活動が可能なオフィスや、打ち合わせ等に利用できる会議室、交流スペース、商談コーナーなどが設けられています。

インキュベーション・マネージャーによる定期的な面談や事業計画・販路開拓等に関するアドバイスなど、 事業成長のための支援を受けることができます。

まとめ

起業や新規事業に取り組む個人や企業にとって、創業時の初期投資を抑えつつ、事業を成長させる土台となるインキュベーション施設の存在は心強いものです。

加えて、事業経営に対しての確かなアドバイスをもらえるメンバーやマネージャーがいれば、スタートアップ期のアクシデントを最小限に抑えつつ、事業をたしかな方向に進めることができるでしょう。