4P分析、4C分析で競合分析を効率的に行い、自社の打ち手を導く方法

「事業戦略を立てる時には、競合分析をすべき」という話はよく聞くことだと思います。

しかし、実際に分析をすると

  • 何から手をつければよいのかわからない…
  • 網羅的に分析できているのか不安…

など、分析のやりつらさを感じることになると思います。

そこで、今回は4P分析・4C分析というフレームワークをご紹介したいと思います。

非常に使い勝手もよく、事業戦略以外で、組織運営でも活用できる便利なフレームワークです。

※フレームワークの説明を分かりやすくするために、通販サイトの運営を例に説明しています。

価格優位性

インターネットを使ったビジネスは、「お客様が他社と比較検討することが簡単」という特徴だあります。

ただ、ここで難しいことが 「お客様は何を基準に競合店と比較検討しているのか?」 ということだと思います。

最も分かりやすく、一番影響があるのは「価格」でしょう。

しかし、サイトがあまりにもいけてない場合は、不安になって購入できない人もいるのではないでしょうか?

また、支払い方法の選択肢が少ないと、面倒くさくて購入しない人もいます。

そもそもサイトにお客様がアクセスしてないければ売れることもありません・・・

お客様が購入に至るまでに比較する項目は意外に多いので、比較する項目を整理して調査しないと 重複している事をいつまでも調べていたり、把握しておかないといけない違いを調べていないといったダブリモレが発生します。

また、比較して、弱みを改善したとしても 商売なので、競合も対策してきます。

つまり、競合調査は、常に行っていく必要があります。

とはいえ…、競合分析は大切なのは理解しているけど、通常業務も忙しい運営者が感覚的にやていると大変です。

そんな悩みを解決してくる便利なツールが 競合調査を効率的に行うためのフレームワークが4P分析、4C分析です。

4P分析について

4P分析とは、プロダクトの4つのP(product)を分析することです。

つまり売り手目線の強み弱みの比較です。

4Pの各項目を通販サイトの場合に落とし込むと、下図の様な形になるかと思います。

Pの種類 概要 分析のポイント(例)
Product 製品の持つ強み。メーカ自体の強みや、仕入力に影響する項目。 ・商品

・品質

・デザイン

・ブランド力

Price 通販において、価格競争力は消費者に一番わかりやすい指標。 ・価格:同じ商品なら、価格の安いお店が圧倒的に有利。

・割引設定:同じ価格なら、割引率が大きい方法が有利。

・ポイント施策:付与率が高い方が、リピート化しやすい。

Place 商品流通の力。 ・チャネル:自社EC意外にもモール展開しているや、電話などネット以外からの購入も可能など。

・品揃え

・在庫数:売れる商品の在庫がないのは機会損失。

Promotion 消費者の認知を促す、プロモーション活動。 ・SEO:検索エンジンで上位に表示されているか?

・ネット広告

・LP:魅力を伝える努力をしているか?

4C分析について

消費者の思考が多様化している昨今、 「顧客思考」なんて言葉を使われることが多くなっていますが、この顧客思考を分析することが4C(customer)分析です。

つまり買い手目線の強み弱みの比較です。

 4Pの各項目を通販サイトの場合に落とし込むと、下図の様な形になるかと思います。

Cの種類 概要 分析のポイント(例)
Consumer 消費者のニーズとウォンツをとらえている。 ・テキスト情報:購入する動機付けになる情報が書かれているか?

・写真の質:消費者が気になる点を撮影しているか?

・カテゴリー:ニーズに沿った構成か?最短で商品に到達できるのか?

Cost 価格はコストの一部。消費者は調査、購入など、時間コストを費やしている。 ・配送料金:同じ商品なら、安い配送料金のお店が有利。

・配送時間:同じ配送料金なら、早く届く方が有利。

・配送無料設定

Convenience 買いやすいさ。 ・支払い方法の種類

・お試し商品

・返品保障

Communication 売り込みでなく、納得させること。 ・CRM

Case Study

4P分析・4C分析のフレームワークを紹介しましたが、実際のケーススタディを通して、自社で行う時をイメージしてきましょう。

競合とのGAPを把握する

まずは、自社の通販サイトで売れている商品や、売りたい商品を検索エンジン等で調べて出てくる通販サイトと比較してみる事をオススメします。

例としてセレクトショップのお店で比較してみましょう。

例えば、以下の様に整理できたとします。

4P(売手目線) 競合とのGAPを言語化(例) 解決の難易度 解決後の影響度
Product ①商品は同じものを扱っている 低い 低い
Price ②ポイント付与が自社より3%多い 高い 高い
Place ③品揃え、在庫ともに自社の2倍 高い 高い
Promotion ④ネット広告をしている 高い 高い

 

4C(買手目線) 競合とのGAPを言語化(例) 解決の難易度 解決後の影響度
Consumer ⑤商品写真の枚数が多い 低い 低い
Cost ⑥16時までの購入で当日配送 低い 高い
Convenience ⑦携帯決済を導入している 高い 低い
Communication ⑧メルマガの配信数が2倍 高い 高い

 

これで弱みが(競合とのGAP)整理できたのですが、ここで、もう一つ重要なことが発生します。

それは何から手をつけるのか?という事です。

この優先順位を立てる時に便利な考え方が、行った事で生じる結果の影響度」と「対策の難易度」のマトリックスで整理する方法です。

ここで重要なのが、「難易度は低いけど、影響度も低い事」をやってしまわないことです。

流行の手法や、無料でやれることは、 簡単なのでついついのめり込んでしまうことが多いのですが、労力に対して結果がでないこともあります。

ポイントとしては、ここのゾーンに入る作業は忘れてしまうことです。

ケーススタディのお店を課題をマッピングしたのが下図です。

把握したGAPに優先順位をつける

このお店の対策をストーリーとして記すると、以下になります。

セレクトショップAは、競合店舗を分析した結果、

  1. まず、すぐにできる写真撮影と配送時間の改善からスタートする。
  2. その後、新規顧客を獲得するために、 アクセス数UPを狙いリスティング広告を学ぶ。
  3. そして、顧客にメリット与えるために、競合店よりもポイント付与率を2%上げることにした。
  4. 一通りの初動対策で成果が上がってきたので、会員数の増加と共にメルマガを頑張って、翌シーズンの仕入れ を増やしていくことを計画することにした。

以上が、4P分析・4C分析で効率的に競合分析を行い、自社の打ち手を導く方法の説明になります。

インターネットを使った商売は企業間格差が発生しやすく、上位企業がビジネスを独占します。

そのため、商売を行うカテゴリーを狭めて、 そのカテゴリーを独占する事がセオリーになります。

お客様からの評価を独占をするために、 各種のフレームワークを活用して、計画→実行→改善→計画・・・のサイクルを回していく。

こんな地道な手法が成功に向けた一歩目になります。